筆者は現在、シンガポールのスタートアップ企業で働いていますが、そこでは日本のスタートアップや大企業で働くのとは異なる能力を身につけることができます。筆者自身は前職ではいわゆる大企業と呼ばれる組織に属していたため、その環境と比較して、海外スタートアップで働くことで得られるメリットは以下の3点が挙げられます。
1. 仮説思考によってゼロから仕事を創る力が身に付く
2. ダイバシティーの中で自分を磨く
3. 世界目線でプロダクト開発をする力が身に付く
そこで今回は、上記3つのメリットを取り上げて、海外スタートアップで働く魅力についてご紹介していきたいと思います。
日本人が日本国内で事業を行う場合、対象となるマーケットに対して、ある程度の前提知識を持っていたり、直感的にニーズの予測が出来たりするために、仕事の取っ掛かりという点では進めやすいことは間違いありません。しかし、海外で事業を行う場合には、そういった前提知識もなければ、文化圏が異なる人々に対するニーズを予測する共感力も働かないために、仮説思考によってゼロから事業を積み上げていくことが必要とされます。そのため、仮説思考を用いながら仮説実行検証のサイクルを回すことが仕事をする上で重要なスキルとなります。
また、スタートアップというものは大企業とは異なり、仕事が上から降ってくるのを待つのではなく、自ら率先して仕事を創ることでバリューを出すことが求められる環境です。常に新しいことに挑戦し続けなければならない上に、それらの前提知識もインターネットなどでは容易に調べられないケースも多いのが実状のため、必然的にこのような仮説思考による仕事の進め方は必須スキルとなってくるのです。
海外でのスタートアップは事業を始めやすい反面、感覚値で物事を進めるとニーズとマッチせず、事業が軌道に乗っていかないことも多々有ります。必要になってくるのは正確な現地分析とそれに合う”Evidence(根拠)”を明確にすることです。・
筆者が現在働いているオフィスには、シンガポール人、インド人、アメリカ人、バングラデシュ人、ベトナム人、韓国人、日本人がいます。各メンバーは全く異なるバックグラウンドを持ち、考え方も仕事のスタイルも人により様々です。このような環境で働くことで以下のような4つの力が身に付きます。
1. 事業を多角的に捉える力
2. ゼロベースで物事を考える力
3. 議論を調整する力
4. 決断する力
多様なバックグラウンドを持つ人が集まるチームが、一つの事業・サービスの問題について議論をすると、様々な解決策が提示されます。一般にビジネスの問題解決というのは様々な方法があり、どれが正解であるということはありません。そのため、各解決策が論理的に展開されている以上、どれを選んでも良いこととなります。多様な解決策を正しく理解することを繰り返していくことで、自然と事業を多角的に捉える力が養われるのです。
また、先入観を完全に捨てて議論をしなければ、相手の意見を理解することは難しくなってしまうために、常にゼロベースで物事を捉える力が身に付きます。また、示された解決策それぞれにメリット・デメリットが存在しているため、それらを論理的に説明し、各人を納得させることが必要となるために議論の調整能力も必須です。そして、調整が終えたら、一つの解決策を決めます。
決断とはとても大きな責任を伴うものですが、スタートアップでは実行が全てです。実行のために、決断力を身につけることも必須となります。責任がある環境だからこそ、そこにコミットできる姿勢が必要なのです。
日本人がプロダクト開発をする際には、「まず日本人が気にいるものを作ってそれから海外へ」という発想になりがちです。しかし、シリコンバレーなどの海外スタートアップでは、「世界で通用するにはどうしたら良いか」という視点でプロダクトを作り始めます。ここでは、世界で通用するプロダクト創りが求められており、常にその視点で議論を行います。
日本では長期的に、内需が期待できない経済環境となるのが間違いないため、若いうちから世界で通用するプロダクト創りについての意識やスキルを高めておくことは、人材としての国際競争力を磨くためにはとても大切な要素となります。
ダイバーシティーにさらされ、世界を顧客にしている海外企業だからこそ、日本で事業を続けてきた日本企業にはないノウハウと成長できる環境があります。それを体験し、スキルを習得できる海外インターンは絶好のチャンスと言えるのではないでしょうか。
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