投資銀行は投資銀行業務とマーケット業務の二つに分けることができます。ここでは投資銀行業務についてのみ説明します。
投資銀行業務とはIBD(Investment Banking Division)と呼ばれ、一般的にカバレッジチームとプロダクトチームによって構成されています。
クライアントの悩みを聞き出し、専門部隊であるプロダクトチームへ引き継ぐための窓口として機能します。産業毎に顧客を担当するチームであり、例えば
・製造業等を担当するGIG(ジェネラル・インダストリー・グループ)
・通信業界・メディア業界等を担当するTMT(テレコム・メディア・テクノロジー・グループ)
・金融業界を担当するFIG(フィナンシャル・インダストリー・グループ)等
があります。
商品を切り口としたチームであり、
・M&A
・ECM(エクイティ・キャピタル・マーケット、株式資本市場部門)
・DCM(デット・キャピタル・マーケット、債券資本市場部門)
のチーム等があります。
①カバレッジがクライアントから情報を聞き出し、M&A / 株式発行 / 債券発行 のどれがベストかを探る
②例えば、M&Aをすべきと判断した場合は(事前に買収or売却先はある程度想定済み)、プロダクトチームのM&Aアドバイザリーチームに引き継ぐ
③M&Aアドバイザリーチームがデューデリジェンス(企業精査)、モデリングなどを行い、クライアントへM&Aの実行を提案(この段階で「ビューティーコンテスト」と呼ばれる、他社との案件獲得のための提案合戦が行われることもある)
④無事に案件を獲得できれば、クライアントや弁護士・会計士、買収・売却先企業と共にM&Aの契約締結へ向けて作業(途中で買収・売却先企業の問題が発覚し、契約破棄となることも多い)
⑤無事に契約を締結できればアドバイザリーフィー(取引金額の3%程度)をもらう
国内トップで圧倒的な存在感を誇る(この業界の社員さんに「存在感を感じる日系IBDは?」と聞くと間違いなく野村の名前が出る)。また、これは日系5社共通の特徴であるが、案件数が多いため若いうちから多くのディールに関われる。そのため、日系ならではの育ててくれる風土ということもあり、「外資よりも野村」という人も珍しくない。優秀層がこぞって志望するため入社難易度は相当高い。
野村と同様に独立系の証券会社。『人の大和』というのは本当らしく、温かい人が多い印象。(そのせいもあるのか、)圧倒的な野村と銀行系3社の存在感が高まりつつあるため、直近の投資銀行リーグテーブルの順位は低下傾向。しかし、これは毎年変わるため、今後も大和の位置が相対的に下がっていくとは言えず、今後も活躍が期待出来る。
旧4大証券の一角である日興証券がSMBCの傘下となりできた会社。日興証券は2009年まではシティ銀行の傘下であったため、外資系の名残が強く、実際に社員の方もそれをオープンにアピールしている。また、中途入社の方の中には、「SMBC日興の商品は業界でも評価が高かったため、ここで働きたいと思った」という方もいた。最近は人材の流失を防ぐ目的もあり、研修に力を入れている。IBDでは2年目の社員全員にロンドン研修の機会が与えられる。
SMBC日興証券、三菱UFJモルガンスタンレー証券と同様に銀行系証券であるが、唯一の純粋な(外資の資本が入っていない)銀行系証券。そのため、IBDの中でも最も「日系」の色が強い。
他の銀行証券同様、提供できるプロダクトが独立系よりも多い。2010年にモルガン・スタンレーの日本法人であるモルガン・スタンレー証券株式会社の投資銀行部門について会社分割を行い、三菱UFJ証券株式会社が承継し、三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社となった。SMBC日興証券と共に、近年存在感を出してきていると言われる日系IBDの一つ。
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