【企業研究】世界130ヶ国・地域に広がる味の素のグローバル戦略

2016.12.14
企業動向/就活

日本で最も有名な食品メーカーの味の素。

調味料をはじめとして、日本国内のみならず海外市場でも圧倒的な存在感を出してきました。今回は そんな味の素の海外戦略を追ってみました。

 

■世界中で成功する味の素のグローバル戦略

100年以上前にうまみ調味料「味の素」を作り出した味の素は、食品メーカーの中で早くから世界中に展開しています。

世界展開の成功の秘訣とそれを支える制度を紹介します。

 

味の素は売上の6割を海外であげている。日本の食品メーカーの中では稀有な存在である。

現在では世界26の国と地域に拠点を設け、現地に密着した事業展開を通して、130以上の国と地域に商品を届けている。

現在、海外コア展開“Five Stars”を起点にした成長で日本に次ぐ国・エリアの柱を作ることに注力している。

“Five Stars”はタイ・ベトナム・フィリピン・インドネシア・ブラジルと経済成長が著しい国々で構成されている。

2020年をメドに売上高を2~3倍に増やす計画を掲げている。筆者がタイに滞在した時にコンビニの店員に「AJINOMOTO」と声をかけられるほど、現地に根付いていた

 

 

■徹底した現地化で海外マーケットを制する

なぜ、味の素は世界展開に成功しているのか。その一つに「現地化」があげられる。

 

東南アジアの国々では、あえて日本とは異なる販売方法を用いて成功を勝ち取っている。

通常、日本ではルートセールス(定期巡回販売)は卸売業者や販売代理店に任せるのが一般的だが、東南アジアの国々では現地営業マンを雇い、地道なローラー作戦を行っている。『他者の力を借りず、自ら市場を切り拓く』という努力の結果、成功を収めてきた。

営業マンは販売、陳列、接客と一人何役もこなし、袋で小分けにした調味料を1個10円台でコツコツと販売、味の素は今や東南アジアの調味料市場で6割のシェアを獲得するに至っている。

 

 

■更なる成長にむけた新制度

味の素の成長を2つの特徴的な制度が加速しようとしている。

「グローバル・ガバナンス・ポリシー」と「経営幹部候補の選抜」だ。

 

「グローバル・ガバナンス・ポリシー」は日本の本社機能「統率するHQ」と国内外の現場「任される現場」によって、迅速な意思決定と事業成長の加速を目指す。具体的には現場への起案と決済の権限を委譲し、本社への報告・連絡・相談(ホウレンソウ)を行わない。タイとブラジルで先行導入を開始し、16年度からグロープ全体で導入される。

 

「経営幹部候補の選抜」は国内外の関係会社から次世代の経営幹部候補200人を選抜し育成する人事制度だ。16年度からの新制度として、導入を決定している。従来は日本人中心だったが、グローバル経営の加速に向け、国内外から優秀な人材を登用する体制を整える。

国内は40代中心、国によっては30代半ばから対象となる見込みだ。味の素本体の役員や事業部門長、子会社や海外法人の役員など約120ある重要ポストの候補として育てていく。日系企業では選抜制度は珍しく、2020年度までに海外売上比率70%の目標を掲げる同社らしい新制度だ。

 

参照:
日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ30I57_U5A101C1TJC000/
コーポレートサイト
http://www.ajinomoto.com/jp/ir/pdf/FY15Q2_Presentation_J.pdf
東洋経済
http://toyokeizai.net/articles/-/48003?page=2

 

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記事作成:T.M
慶応大学商学部4年。来年からメーカー勤務予定。


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