海外といえば?と聞かれれば、英語を話すイメージや旅行で行ったことのある世界遺産、テレビやネットで見たことのある海外の綺麗な場所を思い出すかもしれない。しかし、今回紹介するのは東南アジア。いわゆる途上国で、貧困者も多く、街には車よりバイクの方が走っている国々がなぜ今魅力的なのか、探ってみた。
人材紹介会社集合サイト『[en]転職コンサルタント』のサイト利用者3,304名を対象に行った「海外での勤務」についてのアンケート調査によると、転職時に海外勤務の可能性のある企業を「積極的に選ぶ」と回答した人は26%となり、2010年に実施した同調査に比べ7ポイントアップした。
年々海外勤務の意向を持つ人が増加していることがわかる。また「積極的に選ぶ」と回答した方が選んだ、働きたい国・地域第1位は「東南アジア」、第2位は「北米:カナダ」、第3位は「ヨーロッパ」。一方で2010年調査時に第1位であった「中国・東アジア」は、今回の調査では第4位へと後退している。
企業の海外進出も、中国一辺倒からインドネシア、タイ、ベトナムといったアセアンが目立つようになってきているように、人も次代の成長国を選んでいると言えるのではないだろうか。年代別でみると、20代では「ヨーロッパ」と回答した方が最も多かったのに対し、30代以上では「東南アジア」が最多となった。
ではなぜ”東南アジア”なのだろうか。
おそらく東南アジアはまだ「未開の途上国」という印象が強いかもしれない。テレビやニュースで紹介される東南アジアは旅行の側面で紹介されることが多いためである。
しかし実情を見ると日本人にはかなりの恩恵がある。欧州に留学したことがある方ならイメージしやすいと思うが、親日国か否かはかなり重要である。特に言葉が通じない環境で自分を理解してもらうのはハードルが高く、仕事ではそれが成果につながる場合が多いからである。
またベトナムではここ数年平均賃金が上昇しなかったことが一度もない。賃金に関しても上がる一方で、物価もそこまで高くないことは新しくビジネスを始める際や企業にとってもローリスク・ハイリターンが望める環境なのである。
ビジネスがしやすいのは環境的要因だけではない。日本の労働体系が今の東南アジアに合っているからである。日本は特徴的に長時間の労働によって成果を出そうとする。これは高度経済成長期に成功したやり方をそのまま当てはめてきたからである。
しかし、ものが溢れた現在において、時間をかければ成功するというものではなくなってきた。一方でまだまだビジネスチャンス溢れる東南アジアでは、人がまだ発見していないニーズに応えるサービスを提供できるため、むしろ時間をかけたほうが成果が残しやすいのである。
いかがだっただろうか。チャイナ+1の流れは加速し、今や多くの企業が進出している。こういった環境でビジネスを経験することは次代の成長市場のニーズを把握することにつながり、それが今後の潮流になるかもしれないのだ。
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