※(写真:たかやんさんご自身)
「日本でビジネスをやるのは言葉の壁がなくて楽だけど、人が行きたがらない場所にチャンスがあるとは思っている」と語るたかやんさん。今はアフリカにも興味があるそう。
カンボジア・プノンペン。ここに、アットホームな雰囲気を醸し出し、日本人に憩いの場を提供するバーが存在する。今回は、そんなプノンペンで日本人No.1の人気を誇るCafe&Bar CONYの経営者、「たかやん」こと小澤貴也氏のお話を伺いました。
――何故、カンボジアという場所を選ばれたのですか?
たまたまです。25歳で経営者になろうとは決めていて、新卒で入った会社を1年あまりで退職したんですが、その会社の社長からある日突然電話がかかってきて。「海外で会社を立ち上げたいから、お前、社長をやらないか」っていう。それがカンボジアだっただけなんです。もしこれが他の場所だったらそこでビジネスをしていたと思います。
――やはり学生時代から海外で働くことに興味があったのですか?
いえいえ、まさか自分が海外で働くなんて思ってもみなかったです。ただ、大学4年生の時に世界一周はしました。ちなみに、北海道を除く日本全国を旅行もしています。
――世界一周!物凄くアクティブだったんですね!その原動力は何ですか?
それが、実は僕、19歳まで生まれ育った神奈川県を出たことさえなかったんですよ。何なら友達も居なくて。コンプレックスの塊でした(笑)。
でも、マイナスがプラスになる瞬間ってあるんですよね。
大学に入って初めて、他の地域出身の人と触れ合ったんですけど、関西弁とか、方言を聞いたときに本当にビックリしたんです。「すげー、マジかよ!?」って(笑)。
同じ日本という国の中でもこんなに違いがあって面白いなら、国を越えたらもっと凄い感動を得られるんだろうなって考えるようになりました。
それで、海外に出る前にまずは日本を知らないといけないと思ったので46都府県一周をして、それから世界を巡る旅に出た、という感じです。
大切なのは、「踏み出す一歩が道になる」ということ。僕のモットーでもあります。
――バーをやろうっていうお考えはお持ちだったのですか?
単身プノンペンに渡った時、どんな仕事をするかっていうことは決めていませんでした。4年前、プノンペンに来た当時僕がやっていたのは人との出会いを求めてバーを巡るっていうことだったんですが、なかなか日本にあるような落ち着いた雰囲気で、人との素敵な出会いが出来るようなお店って無かったんですよね。じゃあ、自分で作ってしまえ、と。
――今やプノンペン、もといカンボジアに居る日本人にとって一番有名なバーになりましたね。どのような工夫をされたのですか?
バーをやろうと決めた時に、プノンペンで日本人が一番集まるお店にしたいと思って始めたので、おかげさまでその目標は達成出来ました。
でも、これはいち早くこういうビジネスをやったからで、特別何か工夫をしたっていう訳ではないですね。
――では経営で意識されていることは?
まずは自分自身を磨かないと一緒に仕事をしようと言ってもらえないと思ったんですよ。いかに売上を増やすかよりも、まずは赤字覚悟で自分を高めようと。28歳まではこの方向で頑張ろうって決めていました。
――どういう「自分磨き」をされていたのですか?
人間性を大事にすることを意識していました。具体的には、義理と人情と感謝。
お店にお越しいただいたお客様には翌日必ずお礼のメールをお送りしたり、飲食店で働かれている方が来てくださったらこちらもご飯を食べに行かせてもらったり。こういうことを徹底してやっていたら、ある日、お客様から一緒にお店をやらないかって誘って頂いて。ご縁って本当に大事ですよね。ゴリゴリの営業は瞬間的には良いかもしれませんが、長くは続かないんじゃないかな。じっくり時間をかけて育んできたマンパワーという方法は間違っていなかったんだと僕は思っています。
――これからどのような経営をしていこうとお考えですか?
32歳まではマンパワーで行こうと思っています。ただ、その中でも、28歳までは人間性重視と思ってやってきましたが、これから31歳まではお金を稼ぐことにもコミットしたいと思っています。
――現地人スタッフを採用されているようですが、何か困難はありましたか?
最初の頃、1年に2回もスタッフが変わってしまったんです。やっぱり、スタッフが辞めてしまう時って、経営者としては凄くショックが大きくて。ああ、この子の人生を変えてあげることが出来なかったんだなって。それで、何が良くなかったんだろうと考えたら、自分で全部やっていたことに気づいたんです。カクテルを作るのも、接客するのも僕の仕事で、それってスタッフからすると自分はただ掃除してるだけだ、て思わせちゃっていたんですよね。それから、仕事は全部スタッフに任せて、僕自身は何にもしないようにしました。僕がする唯一のことは、集まってくれた日本人達の間に入って橋渡しを行うことだけ。そうすると、スタッフ達が仕事に関して自主的に提案をしてくれるようになったんです。
それでモチベーションを得られたことに加えて、インセンティブ制度を設けて、結果的に今働いているスタッフは一年以上続いています。
――全部任せることに不安はないですか?
もしスタッフが何かミスをしてクレームが出たとしても、それは任せている僕の責任だと思っています。勿論謝るべきところは謝りますが、それが嫌だとは思わないし、何より、ちょっとミスがあってもお客様が許してくれる関係が出来ているので、不安とかはないです。結局僕のやっているビジネスって、お客様だけどお客様でない関係性を築いているんですよね。そういう、人と人との縁が大事なのかなぁと思っています。
――最後に、学生に向けて一言お願いします。
是非、一歩踏み出す勇気を持って、一度海外に飛び出してみてください!
「プノンペンにお越しの際はたかやん takaya0402sunshine@gmai.comまでご連絡ください」とのことでした。
たかやんさん、ありがとうございました!
CAFE&BAR; CONY
お客様は全員日本人。「プノンペンで日本人同士が出会う場所」をコンセプトに、たかやんさんと現地人スタッフ2名の計3名で営業。
BAR LAGRANGE
スタッフとして日本人女性が二人以上いる、ASEAN諸国では珍しいバー。
内装にこだわった、高級感漂うオシャレなお店。外国人のお客様にも多数お越し頂いているとのこと。
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小澤貴也(おざわ たかや)
プロフィール
1987年神奈川県横須賀市生まれ。関東学院大学在学中、日本全国(北海道以外)と全世界を旅する。卒業後、約1年のサラリーマン生活を経て、2011年カンボジア・プノンペンに単身移住。現在、Cafe&Bar CONY、BAR
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