日産自動車は1933年の設立以来、トヨタやスズキと並ぶ日本の自動車産業のリーディングカンパニーとして活躍してきました。一方で経営不振から多額の借金を背負い、その額は上場企業では最悪となる6844億円に上りました。現社長兼最高経営責任者のカルロス・ゴーン氏の就任後わずか1年で黒字化に成功し、日産は世界を舞台に飛躍しています。今回はそんな日産のグローバル戦略についてまとめてみました。
2000年に世界で260万台の販売を達成して以降、2010年には480万台、2014年には530万台とわずか15年で販売台数を2倍以上にしています。一貫して日本での販売は100万台以下であることから日産がいかにグローバルな展開に力を入れているのかがわかります。
日産は世界の中でも欧州・ASEAN・日本・米国の4つの市場に力を入れています。特にアジアは2003、04年の中国進出は始め、タイ、ベトナム、インド、インドネシアと次々に拠点を設置し、今後の成長の足場を築いています。
日産は新興国向けにDATSUNブランドを使用し、小型車・低価格を軸に販売を促進しています。インドネシアでは日本車使用率が95%と非常に高く、日本ブランドへの関心が高いことから若いユーザー向けに低価格で売り出すことで乗り換える際にもDATSUN車や日産車を選び続けることを想定した戦略をとっているのです。
引用:日産インフィニティガイド(http://www.car-infiniti.com/)
あなたはインフィニティを知っていますか?日本では日産のインフィニティの知名度はそう高くありません。それはインフィニティと呼ばれる日産のブランドは現在日本で購入することができないからです。インフィニティは日産がプロデュースする高級車ブランドです。
日産がインフィニティ事業を提唱するのは、一般乗用車において高級車と言われるプレミアムブランドはBMWやアウディなど世界全体のブランドでシェアが11%にも関わらず、世界全体の自動車販売の総利益の50%をあげているという理由からです。
2012年に本社機能を香港に移転させた背景には「日本に縛られないブランド展開」と「アジア初の高級車ブランド」があげられ、インフィニティは既にF-1カーへの参入によってその知名度向上に大きく貢献するなど今度の成長が期待されています。
現在日産をはじめとする自動車メーカーは多様化する世界のニーズに応えるため、パートナーと呼ばれる企業との提携によって強みの増強と弱みの補完を行っています。
日産では特に①新興国の伸張②多様な環境技術③小型化・低価格化というグローバルの3つの戦略を成し遂げるためにルノーや三菱とのパートナーによって、複数の車種に同一の部品を用いたり、投資を分担することで負担を軽減したりするなど効率化をはかっているのです。
このように日産では多角的なグローバル戦略とパートナー協定によって新興国市場やニッチな市場の開拓・ターゲット化につなげています。カルロス・ゴーン氏が手がける日産の今後に注目が集まります。
Reference:
NISSAN(http://www.nissan-global.com/JP/DOCUMENT/PDF/IREVENT/PRESEN/2013/130119_presentation.pdf)
(http://www.nissan-global.com/JP/DOCUMENT/PDF/IREVENT/PRESEN/2013/131205_presentation.pdf)
NISSAN MOTOR CORPORATION(http://www.nissan-global.com/JP/IR/INDIVIDUAL/GLOBALSALES/)
CORISM(http://www.corism.com/special/biz/2627.html)
CAR WATCH(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20130603_601772.html)
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記事作成:酒井陽大(さかい ようだい)
横浜市立大学2年 2015年2月より5ヶ月間ベトナム・ホーチミンにて現地在住日本人向け情報サイトの営業・企画・編集の海外インターンを行う。
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