今年の流行語大賞のノミネート欄には「インバウンド」「爆買い」のキーワードが目に入った。大阪の人気買物兼観光地である道頓堀（下写真）は今や「爆買ストリート」と呼ばれるほどの賑わいようだ。
ドンキホーテでは、バラマキの定番であるお菓子類・ステンレスボトル・セラミック包丁・消せるボールペン・化粧品・極薄コンドーム・そして薬！中国人は日常的に冷水は飲まず、湯または常温水を飲むため、日本製の保温性と気密性の高いステンレスボトルが人気を博している。
そんな彼らにはもちろん炊飯器やステンレス魔法瓶といった生活家電製品も大人気だ。中でも「ＺＯＪＩＲＵＳＨＩ」のロゴが付いた象印の製品が次々とレジに運ばれていくという。メンツを重んじる中国人がお土産を選ぶときに重視しているのがナンバーワンか否か。象印の炊飯器が爆買いの対象になっている理由として、国内シェア約３割でトップの座を守っていることがあげられる。
中国のSNSで日本製の薬は「神薬１２」という固有名詞がつくなどして大注目されている。昨年１０月に中国のネットメディアで「１２の医薬品」が売り上げを伸ばした。１２のうち５製品が取り上げられたのが中堅大衆薬メーカーの小林製薬。中国人ら訪日外国人の爆買いの影響で平成２６年度の売り上げが約８億円伸びたと分析しており、今年はさらに拡大を見込んでいる。ニッチでもオリジナルな新商品を開発する戦略が思わぬ視点で効果を生み出した。
ドン・キホーテは低価格ながら、免税専用レジ、四か国語対応コールセンター、訪日観光客向け専任スタッフ、国内初の試みである外貨通貨レジ精算サービスも行っている。米ドル、ユーロ、中国元のほか４か国の通貨が使用可能。空港へのお届けサービスまで！いずれは空港内にドン・キホーテの免税店でも作る気なのか。
セブン―イレブン・ジャパンは７月、これまでの免税システムを一新した。通常のレジに付いている専用ボタンを押すだけで、免税対応レジに切り替わる。以前までは１５分かかっていた手続きが今は三分以内という。手続きの煩わしさや待ち時間によるストレスが軽減すれば、より気持ち良く買い物ができる。免税対応している店では平均で１日１０組以上が利用し、７万円の売り上げがある。
東京・秋葉原の家電量販店、ヨドバシカメラマルチメディアＡｋｉｂａでは「集客競争のポイントが接客の質の高さにシフトしてきた。「日本の買い物を体験していただくため日本式の接客サービスを徹底している」という。日本での買い物の満足のポイントが「商品」から「サービス」へと変化し始めた。日本人向けの普段の接客が買い物体験として評価されている。
金持ちの中国人が日本に来て高級品を大量に買っていくのは一昔前の話。今では普通の中国人がやってきて、コスパの高い日本のモノを賢く買っていくというのが実態。
考えてみれば、日本で売っている物の多くは中国で作られている。中国で買うよりも安いという理由でわざわざ日本まで爆買いにくるのも面白い。“Made In China, Assembled In Japan”という表示が世に出てくる日は遠くないのかもしれない。
「日本の物が欲しい」それに加えて「日本の物は安い！」という事実が大きく後押ししているだろう。それだけ今、日本の物価は安い。さらに円安。私自身もヨーロッパ、アジア、アメリカを旅してきた中で、日本の物価の安さを身を持って感じた。仮に円が高くなっても観光客が減らない対策が必要になってくるだろう。
（参考記事：
産経WEST http://www.sankei.com/west/news/150730/wst1507300003-n1.html
東済オンラインhttp://toyokeizai.net/articles/-/92568)
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記事作成: 森美月(もり みづき)
甲南大学3年/バンコク育ち/バックパッカー/春からベトナムインターン10ヶ月予定
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