日本企業の海外進出が進んでいると言われる反面、成功している企業はどれほどあるのだろうか。筆者もアジアの国々を訪れた際には、国によっては日本企業を多く見ることもあれば、そうでないこともあります。今回は中国で苦戦する日系企業に焦点をあて、優位に立つ韓国と比較してみます。
「China Daily」に掲載されている韓国の国家イメージ戦略担当者のインタビュー記事によると、韓国は2009年に実業家、官僚、専門家から成る大統領直属の国家ブランド審議会を設置している。
これによって世界各国の留学生をリポーター役にしたSNS経由のコミュニケーションを行ったりして、韓国のイメージ向上へ向けた戦略的ブランド発信を行っています。情報収集とブランド化に力を入れていることがわかります。
中国にはこれといった特定の人気ブランドがこれまで存在していないため、韓国のみならず、中国も同様に「中国の製品や企業に今必要なのは強いブランドだ」と分析し、国を挙げて国内企業のブランド育成を支援しています。
そんな中、日本企業はどうでしょうか?中国市場を成長戦略として位置付けていたはずが、日本の白モノ家電やデジタル機器が一部を除いて総敗北を喫しているのが現状です。
敗北している理由として、「高機能すぎて現地ニーズに合わない」、「コスト高構造が価格に反映されてローカルの低価格商品にかなわない」など、製品やマーケティング戦略の問題とされるケースが多いですが果たして本当にそうなのでしょうか?
実際には日本の経営者や現場のマネジャーの中に、『ブランド』が象徴する価値でモノやサービスを売り、ブランドのビジョンを通して中国の顧客と価値観を共有し合うための戦略を立てられる人間が非常に少ないことが理由だとある専門家は指摘しています。
実際は日本製品のクオリティの高さは中国消費者にきちんと認識されており、また消費者の購買意欲は今でも旺盛にもかかわらず、携帯やLGのテレビ、格力のエアコン、シーメンスの洗濯乾燥機に市場シェアを奪われてしまっています。
その大きな理由は、ブランドの魅力の欠如にあります。製品のクオリティが認識されている反面、それがブランディングに反映されていません。日本企業はこの事実を深く理解し、さらなる対策を打っていくことが求められています。
製品の質を保ちながら、いかに現地で流行となる宣伝やPRができるか。形成逆転するには、そこに「流行」を作り出していくことが必要だと考えます。
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