海外に一度行ったことのある方なら日本の醤油をスーパーなどで目にしているでしょう。日本の食品メーカーはJAPANブランドをかかげるものの、いまひとつ成功しているとは言い難い現状があります。実際食品主要メーカー31社の海外売り上げ高比率は20% 前後でリーマンショック以前から伸び悩んでいます。しかしその中でも海外売り上げ高比率45%、海外営業利益率69%を占めている会社があります。それが「キッコーマン」。今回はそんなキッコーマンの特性とこれまでの海外展開を追っていきます。
キッコーマンは1917年創業のしょうゆのトップブランドです。100年にのぼる歴史で培われた「伝統」と、常に時代を洞察する「革新」を企業風土に、食文化を世界に広めることもモットーにしています。
2008年に策定したキッコーマンの「グローバルビジョン2020」は以下のとおりです。
1. キッコーマンしょうゆをグローバルスタンダードの調味料にする
2. 食を通じた健康的な生活の実現を支援する企業となる
3. 地球社会にとって存在意義のある企業となる
ここからもいかにキッコーマンが食をベースに、世界に貢献しようとしているのかがわかります。
キッコーマンでは世界を7地点に生産拠点をおき、そこから100以上の国にしょうゆを供給しています。
海外展開するキッコーマンのしょうゆの歴史は第二次世界大戦後に訪日したアメリカ人がそのしょうゆに親しむ姿から始まりました。しょうゆは食材を選ばずに、なじませることができるため世界のどんな食材に合わせても売れると確信できたのです。
1957年にサンフランシスコに販売会社を設立し、現地のスーパーマーケットでしょうゆをつけて肉を焼いたデモンストレーションを行い、レシピなどを宣伝していくことで世界基準の調味料となっていきました。このしょうゆと肉の組み合わせこそ”テリヤキ”と今日言われるものになっていきます。
ヨーロッパやアジアへの進出も進めていき、文字通り100年の歴史の果てに世界が認める日本の味となっていったのです。
これまで見てきたようにキッコーマンは海外に確かな拠点をもち、その販路を徐々に拡大しています。しかし一方で活躍する海外人材を輩出するためにいきなり海外に送り出すことはないようです。
プロの人材を育成するにはまず国内でしっかりと自分の領域で結果を出す。それができて初めて海外でチャレンジできるという方針をとっているとキッコーマンの人事部長は話します。そしてその人材が確かな結果を出せるようにジョブローテーションを積極活用し、人材の適正を見つけるのもキッコーマンの特徴です。
このようにキッコーマンはこれまで培った経験と常に良い姿を追い求める姿勢を崩さない精神をもった企業なのです。
参考資料:
日本の人事部(https://jinjibu.jp/article/detl/tonari/320/)
KiKKoman(http://www.kikkoman.co.jp/index.html)
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記事作成:
酒井陽大(さかい ようだい)
横浜市立大学3年 2015年2月より5ヶ月間ベトナム・ホーチミンにて現地在住日本人向け情報サイトの営業・企画・編集の海外インターンを行う。
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