ここ最近東南アジアにおける日本企業の進出は安定的に増加している一方で、1企業が進出を検討してから実際に進出に至るまでのスピードは決して早くないという。韓国やマレーシアなどの企業が進出を進めるベトナムにおける日本企業の進出についてまとめる。
外務省「海外在留邦人数調査統計(平成27年要約版)」によれば、近年の日本企業のベトナム進出は安定的に増え続けており、ASEANの中でも有力な投資先と考えられている。
特に日本企業にとっては、タイなどと比較しても太平洋に面しているため航路での貿易のしやすさ、9,000万の人口に加えて平均年齢が若いなど成長の余地が残されている国なのである。
途上国・新興国では次々とマーケットが生まれるため、他者よりもいち早くニースを満たすスピードが必要であるが、日本企業は進出に足踏みをしているケースが多い。
それではなぜ日本企業の進出は遅れているのだろうか?
今回はODA(政府開発援助)の観点から企業の進出について考えていきたい。ODA(Official Development Assistance)は「開発途上地域の開発を主たる目的とする政府及び政府関係機関による国際協力活動」を目的として資金や技術協力を行っている。
そしてこのODAは後発国発展のための投資としての機能だけではなく、日本の企業が進出する際の足馴らしとしての役割も果たしている。すなわちODAの援助の一環として企業進出が行われているのだ。
特に積極的に採用されているのが上記の項目に当てはまる中小企業。中小企業は資金力がなくとも高い技術力を保持しているため、進出を促進できるODAは格好の武器となるのである。
ODAの存在が日本の中小企業の進出に大きく関わってきていることがわかる。それでは、今のODAと企業進出はうまくいっていると言えるのだろうか?
上図が示す通り、入札に対するコンサルベースでの実績は144案件中113件の入札が行われている一方、実際に本体事業が動いた実績は乏しい。
ここからODAによる進出支援を求める企業と実態の間に大きなギャップがあることが読み取れる。すなわち企業がODAを介して実働した実績は比較的少ないということである。
2015年にインドネシア政府が下した日本の新幹線を受け入れないという決断は記憶に新しい。どんなに技術を世界にアピールしても価格等を勘案すれば日本の技術の今は”圧倒”している存在ではなくなっているのかもしれない。
参考資料:
世界の人口ピラミッド(https://populationpyramid.net/ja/ベトナム/2016/)
外務省(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/about/oda/oda.html)
Deloitte(https://www2.deloitte.com/content/dam/Deloitte/jp/Documents/audit/pub/jp-pub-ppp-oda20140730.pdf)
INDONESIA(http://indonesiashimbun.com/society/media-jepang-kereta-cepat-jakarta-bandun.html)
外務省 国際協力局(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/files/000071558.pdf)
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