近年頻繁に叫ばれている“グローバル化”。現在多くの企業が海外進出を行っています。しかし実際の成果はどうでしょうか。私がベトナムでインターンシップをしていた頃、特に気になったのが日本でNO.1と呼ばれる企業であっても海外では後手に回っている現状です(もちろん中には成功している企業もありますが・・・)。そこで今回は日本企業の海外進出の実態についてです。
外務省の平成27年まとめによると、現在海外進出している企業数は6万8,573拠点で前年より4,796拠点増加し、過去最高となっています。日系企業の進出先うちわけは以下の通り。
圧倒的に中国への進出が進んでいる一方で、それに次ぐ米国以外特に顕著な進出先は見当たりません。
21世紀に入り、”世界の工場”と呼ばれてきた中国ですが、高騰する人民元と反日運動などによって決して好ましい進出先とは言えなくなってきています。一方でそれに代わる国、いわゆる”チャイナプラス1”として台頭する国が出て来ていない現状も深刻です。
グローバル化が進む昨今、国内マーケットの縮小は避けられない課題でしょう。日本企業が今後海外進出する上で必要になってくるのは、「現地化」と「分析」。次にこの二つを見て行きたいと思います。
以前こちらでも紹介したように海外で生き残るには「現地化」が必要不可欠。実際に野村証券と第一三共はこれに失敗し、海外で利益をあげることができていません。ものやサービスの質がいかに高くとも、ニーズを理解しない独り歩きの戦略になってしまっていたのです。
言葉で言うのは簡単でも実際にやるとなると簡単なことではありません。大企業は国内で培ったノウハウをもとに”そのまま”現地化してしまう傾向があります。また自分たちのやり方に誇りをもって現地に耳を傾けない日本スタイルの経営が行われてしまうのです。
モノを現地化するのは必要になってくることですが、まずは働きかたのスタイルを変えていく必要があります。例えば日本人同士の会話では「これやっておいて。」「了解です。」でよかったものが、現地では「いつまでに?どのように?どうして?」など詳しく説明しなければ、終わると思ったころには全然違うものができあがっていることは往々にしてあります。現地の人々のやり方を理解しなければ、いつまでの”外国人”のままなのです。
一方で大手企業として豊富な情報をもとに的確な分析を行うことは海外進出の大きな手助けとなります。特に見るべきは①経済環境②政治的リスク③ビジネスシステムの3つ。経済環境とビジネスシステムはケアしていても、政治的リスクを気にしている企業はそう多くはありません。
上の表は日本と各国の制度がどれほど違うのか、を表しています。値が小さいほど日本に類似した国で、アジアだけ見ても中国はかなり下の方にランクインしています。ビジネスと政治の両面からフロンティアを見つけていくことが大事だということが言えるのです。
グローバル化しているからといって海外に”とりあえず”行けば成功するという発想はもう過去のものになっています。世界中どこを見渡しても競争は始まっており、そこで生き抜いていくには現地の力は欠かせないものになっているのです。
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参照:
外務省(http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_002235.html)
DIAMOND ONLINE(http://diamond.jp/articles/-/75399)
東洋経済ONLINE(http://toyokeizai.net/articles/-/41560?page=5)
記事作成:
酒井陽大(さかい ようだい)
横浜市立大学2年 2015年2月より5ヶ月間ベトナム・ホーチミンにて現地在住日本人向け情報サイトの営業・企画・編集の海外インターンを行う。
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