【企業研究】シャープ再建について大学院生が思うこと

2016.12.10
企業動向/就活

メーカーの不振がニュースで流れるたび理系大学院生の私としては残念な気持ちになります。
大手メーカーで研究・開発をしている人たちは優秀な人が多く、その人たちの成果が埋もれてしまっているように感じるからです。今回はシャープ再建について思うことを書いてみました。

今はどんな状態か?

ざっくり言うと、
・ ディスプレイ事業だけで勝負していたが、韓国・台湾勢に勝てなくなってきた。
・ 赤字が膨らみ銀行からの融資で耐える。とりあえず工場閉鎖・リストラ。
・ 台湾の企業がシャープの技術を欲しがり買収に名を上げる。
・しかし国としては技術流出を防ぎたい。そこで産業革新機構が出資。実質、国有化に。

どうしてこうなったか?

① 市場の読みを見誤ったから
これは当たり前のことであるが、製造業では特に影響が大きい。製造業は多額の設備投資を必要とする上、最先端の技術を持っていても、狙いが外れて需要が少なければ、売り上げが伸びないこともあるからだ。
② 経営の多角化を行っていなかった
例えばソニーとシャープを比較すると、ソニーには金融事業のように比較的安定した収益を得られる事業があった。一概には言えないが、大企業は中小企業に比べリソースがある。時代に応じて流行りも変わるため経営の多角化をする方がリスクヘッジになるのは明らかだ。
③ 次の方針がわかっていない
シャープ公式HPのIR情報、中長期経営計画を見ても次にどうするかが具体的に書かれていない。おそらく、どうすべきかがわからないのであろう。この状態を続けていれば問題が悪化していくのは当然だ。

今後どうすればいいか?

現在は実質的な国有化が決まったが、昨年、もし私がシャープの経営者であれば以下の選択肢を考えたであろう。
① 台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業に売却する
② 1回倒産させて会社更生法を適用し、外部から経営者を招いて全く新しいシャープを作る

いずれにせよ、現在の経営陣は居座ることはできないだろう。新しい経営陣が建て直すべきだ。そして、そもそも「技術流出を防ぎたい」ということが理由の国主導の再建はうまくいく気がしない。

シャープの現状はもちろん「結果論」であり、もしかしたらディスプレイ事業の一点集中で成果は出ていたかもしれない。
しかし私が思うのは、経営者は社会と従業員のために予測不能な未来に対しても成果を出さなければならないということだ。

参照:
東洋経済 (http://toyokeizai.net/articles/-/66492?page=3)
日本経済新聞 (http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ10H1G_Q6A110C1MM8000/)
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記事作成:S.K
大阪大学修士1年


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