国内トップシェアのサントリーが狙う東南アジア なぜ海外でもサントリーは好まれる??

2017/01/06
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「黒烏龍茶」などの健康飲料、「GREEN DA・KA・RA」などのスポーツ飲料、「ボス」などのコーヒー飲料といった誰もが知っている大人気商品を生み出し続けているサントリーホールディングス(HD)。今回はそんなサントリーの海外戦略を調査した。

サントリーのアジア進出

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画像ソース:SUNTORY(http://www.suntory.co.jp/softdrink/company/buisiness.html)

サントリー飲料業のアジア進出は2006年の台湾での「黒烏龍茶」から始まった。その後タイ、マレーシアでそれぞれ「DAKARA」と「BOSS」の販売を開始。現在までに世界40カ国、100以上の地域でその生産・販売を行っている。

「やってみなはれ」の創業の精神のもと、リスクを背負いながらも海外展開を積極的に行ってきたサントリーは14年12月期にはキリン(HD)を追い抜いて国内食品メーカーの首位に。そんなサントリーがいま中国と同様にその生産・販路を拡大しようと力を入れているのが東南アジアなどの新興国である。

今後新興国市場が日本と同じ規模に拡大する可能性とその成長市場に伴う消費者のニーズの増加を見据えた競争は飲料業界でも大きな動きを見せている。大手ではカルピスなども東南アジアに進出。サントリーと同じく缶コーヒーの規模を伸ばしつつある。どのようにして更にシェアを伸ばしていくのか、サントリーの戦略は”ローカル・ジャスト・スペック”だ。

大規模資金調達とM&A

サントリーの海外戦略基本である”ローカル・ジャスト・スペック”は、海外のその市場にあった事業コンセプトを作るということである。日本人的感覚ではなく、あくまでも現地に受け入れられなければ事業としては成り立たなくなってしまう。そしてその現地の情報を入手し、うまく活用するために行うのがM&A(合併や買収)である。

サントリーの子会社「サントリー食品インターナショナル」が13年7月に東証一部への上場を果たした。それに伴う資金調達は4,700億円。サントリーはこれまでにタイの果汁飲料最大手のTFBに50%を出資し、生産の委託とTFBの営業網を使った販路の拡大を行った経路などがある。またSuntory Beverage & Food Asia(サントリー食品アジア)のもと、セレボス・グループ、サントリーガルーダ・グループなどが事業を行っている。2009年のオランジーナ(フランス)買収も記憶に新しいところだろう。

これはサントリーに限ったことではないが、日系企業が海外進出する際に課題となるのがどのように現地のニーズを把握し、顧客と結び付けるかである。その点サントリーのようにM&Aによって現地の会社を吸収できれば1から生産体制を構築するより安易かつスピード感をもって取り組めるのである。

どこの国でも人気?海外でサントリーが広まるわけ

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画像ソース:SUNTORY(http://www.suntory.co.jp/softdrink/company/buisiness.html)

サントリーがベトナムで販売している「MYTEA(上図右)」は現地に住んでいる人なら誰でも知っている商品。東南アジアでも受け入れられるように甘めに作られている。このように現地の嗜好(しこう)に合わせて製造しているため、味や容器を変えて販売しているのだ。こういった戦略も現地の企業と協力してこそなのである。

さらにアジアではタイを生産拠点とした他国への輸出を進めている。東南アジア諸国連合(ASEAN)の域内関税自由化によって生産環境が整っていない国・地域にまでその販路を拡大することができるためである。

サントリーの強みとしている「ニーズを汲み取るマーケティング力」と「多彩な味を実現する研究開発力」を存分に発揮し、サントリーが新興国市場を席巻するような存在になる日も遠くないかもしれない。今後のグローバル展開に注目が集まっている。

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参照:
サントリーの海外展開の歴史と現状(酒類・食品・外食)(http://www.kansai-u.ac.jp/Keiseiken/publication/seminar/asset/seminar10/seminar10_k190.pdf)
日本経済新聞 2015/02/17(http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ16ICB_W5A210C1EA2000/)
SUNTORY(http://www.suntory.co.jp/softdrink/company/buisiness.html)(http://www.suntory.co.jp/recruit/fresh/manage/businessdesign02.html)

記事作成:
酒井陽大(さかい ようだい)
横浜市立大学2年 2015年2月より5ヶ月間ベトナム・ホーチミンにて現地在住日本人向け情報サイトの営業・企画・編集の海外インターンを行う。


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