ベンチャー企業でのチームビルディングにオススメの1冊 〜チームのことだけ、考えた。〜

2016/12/08
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ベンチャー企業でのチームビルディングにオススメの1冊です。私自身、海外インターンの前に読みたかったと思いました。特に、「多様性」「公明正大」「自立」というキーワードが印象的でした。

内容・著者紹介

内容紹介
ブラック企業を"社員が辞めない変な会社"に変えた社長の奮闘記――サイボウズをどんな組織にしたいのか。答えは決まった。多様性だ。このミッションに共感して集まった1人1人が自分らしくあること。そのために人事制度が足りないなら増やす。100人いれば100通りの、1000人になれば1000通りの人事制度を。
著者について

青野慶久(あおの・よしひさ)
1971年生まれ。愛媛県今治市出身。大阪大学工学部情報システム工学科卒業後、松下電工(現パナソニック)を経て、1997年8月愛媛県松山市でサイボウズを設立。2005年4月代表取締役社長に就任(現任)。社内のワークスタイル変革を推進し離職率を6分の1に低減するとともに、3児の父として3度の育児休暇を取得。また2011年から事業のクラウド化を進め、2015年11月時点で有料契約社は12,000社を超える。総務省ワークスタイル変革プロジェクトの外部アドバイザーやCSAJ(一般社団法人コンピュータソフトウェア協会)の副会長を務める。著書に『ちょいデキ! 』(文春新書)がある。

人間は理想に向かって行動する

一時は離職率30%近くとなったサイボウズ。そのような経験を経た青野社長は、これについて以下のように述べています。

「理想」とは、その人が望んでいる未来だ。すべての人は、自分が望んでいる未来に向かって行動する。理想とは、言い換えれば「夢」であり、「目的」であり、「目標」であり、「ビジョン」であり、「欲」である。表現方法こそ違えど、道義の言葉だと気付いた。その人が「こうなるといいなあ」と思うもの全てが「理想」であり、人はその理想を実現したいがために行動する。実現したくない理想に向かっては行動しない。

なぜ社員が辞めるのか。それは、辞めることで理想を実現したいからだ。例えば、もっと残業を減らしたい、もっとスキルが上がる仕事をしたい、もっと高い給料が欲しいなど。その理想を実現するには、サイボウズに残るよりも「転職する」という課題を遂行した方が近いと考えたから辞めたのだ。サイボウズに残った方が理想に近づけると感じていれば、辞めなかったに違いない。すべての社員は理想を持ち、その理想に向けて課題を遂行しているのだ。 (本書より)

私はチームがうまく機能していないと感じた場合、この当たり前の事実をもう一度認識することが大事だと感じます。また、組織が多様であればあるほど、それぞれの理想が異なります。そして、それぞれの理想を実現するための方法として、多様性というキーワードにたどり着いたと青野社長は言います。この多様性を実現する手段が次の「公明正大」と「自立」です。

多様性

これはいわゆる「ダイバーシティ経営」とはアプローチが違う気がする。ダイバーシティ経営では、現在の自社は画一的で多様性(ダイバーシティ)が欠けていると考えるところから始める。そこで、女性の管理職比率を高めたり、外国人の採用を増やしたり、英尾を公用語にしたりしながら、組織の中に多様性を作り出そうとする。

我々の発想では、まずすでに自社に十分ダイバーシティが存在すると考える。今、目の前にいる従業員がそもそも一人一人全く違う存在だと考え、彼らの個性を制限している障壁を取り除いていく。すでに社員は多様であり、それを一律的な規則で働かせるのをやめるだけである。その結果、今いる社員がより自分らしく働けるようになる。 (本書より)

公明正大

シンプルに表現すると、「嘘をつかない」ということだ。多様性のためになぜ公明正大が必要になるのか。
実は、最初は「誠実」という言葉を掲げていた。しかし、誠実を実現することは、事実上不可能だと考えるようになった。誠実という言葉には、道徳的なニュアンスが含まれる。
つまり、誠実を体現するには、道徳的な正しさが求められる。ところが、道徳的な正しさは定義が難しいのだ。「ウサギとカメ」というイソップ童話がある。日本においては、「怠けたウサギが悪く、コツコツ頑張ったカメが偉い」と教えられる。ところが、国によっては「ウサギを起こさなかったカメは卑怯だ」となるらしい。正しい道徳は一つではないのだ。

「嘘をつかない」という方針は、簡単そうに聞こえるかもしれない。しかし、徹底するのは難しい。小さな嘘ですら許されない。苦しみも多いが、喜びも多い。私自身が公明正大になればなるほど、メンバーも公明正大に返してくれる。組織の中の嘘が減っていくと、そこにはなんとも言えない安心感、幸福感が漂うことに気付いた。何しろ、嘘をつかれる心配がないのだ。
(本書より)

自立 –100人いれば100通りの前提条件

「100人いれば100通りの人事制度」のビジョンは、メンバーに働きやすい環境を生み出し、離職率の低下に貢献した。しかし、このビジョンの実現には前提条件が必要であることにも気付いた。それは、「一人一人が自分の理想を言葉にして伝えられること」だ。

サイボウズでは、そのことを「質問責任」と「説明責任」という言葉で表現している。質問責任とは、自分が気になったことを質問する責任であり、自分の理想を伝える責任であり、その結果、自分の理想が叶わなかったとしても受け入れる責任である。他のメンバーからの質問に答える責任であり、その結果、批判があっても受け入れる責任である。多様性のある組織で幸福に働くには、この自立マインドが必要だと考えている。多様性があるのだから、自分の要求が通らなくて当たり前だ。それぞれのメンバーが共通の理想を持っている。その理想は、自らの行動によって実現していく。そのことにメンバー一人一人が自覚と責任を持つ。それが、多様性のある組織が成果をあげる条件だと考える。

自立とは、人のせいにしないことだ。私はメンバーに「サイボウズのことを酒場で愚痴るのは卑怯だ」と伝えている。問題があるなら上司に言ってくれ。上司に言ってくれ。上司が動かないなら、その上の上司に言ってくれ。最終的には私に言ってくれ。それでも変わらないかもしれないが、質問することから逃げないで欲しい。それが質問責任を果たすということだ。多様性があるのだから、伝える努力なくして自分の思い通りに動いてくれるわけがない。 (本書より)

最後に

私はベトナムでインターンをし、多様性のある環境でのチームビルディングに悪戦苦闘しましたが、本書を読んだ今では、「公明正大」と「自立」という方法があることを知ることができました。実践するのはかなり難しいとは思いますが、特に海外インターンなどの多様な組織では有効だと思います。


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