日本の技術を海外で。パナソニックのJコンセプト

2017/01/06
globy36

日本の電子機器メーカーはこれまでその技術とノウハウを生かして、シェアを広げてきました。しかし21世紀に入り、よりその勢いが加速すると思われていた日本の電子機器メーカーはグローバルな競争の中で台頭してきた中国や韓国のメーカーによってシェアが縮小し、危機的状況に立たされている大企業も少なくありません。今回はそんな日本の電子機器メーカーで一際目をひくパナソニックの「Jコンセプト」に注目してみました。

深刻な経営不振

パナソニックといえば、順調な経営状態だと思われていた中で2013年3月期まで2年連続の巨額赤字を経験したことはまだ皆さんの記憶に新しい出来事でしょう。プラズマテレビへの投資の失敗や買収の失敗など、当時の戦略がはずれそれは労働者やその他のコスト要因で補填せざるを得ない状態となっていきました。

実際に2015年現在の大型液晶パネル事業において、LG電子とサムスンが世界シェア47%、台湾機器メーカーが30%、パナソニックとシャープを合わせても7%と圧倒的にアジアの他の国のメーカーが台頭しています。さらに中国の機器メーカーはシェアこそ16%ですが、過去2年に比べ4ポイント上回るという圧倒的なスピードで韓国勢を追随していることがわかります。

パナソニックでは国内外の工場の相次ぐ閉鎖に加え、大規模な労働者のリストラを行いました。この状態はパナソニックに限ったことではありません。中国や他のアジアの国が成長している現在、どの企業がこうした状況に陥っても不思議ではないのです。

日本の技術を用いたJコンセプト

2014年にパナソニックは新しく自社の方針として「Jコンセプト」を掲げました。これはこれまで行っていたあらゆる電化製品におけるシェアの拡大ではなく、生活に欠かさなくなっている家電の高級機種を積極的に投入していこうという考えでした。技術を駆使して消費者のニーズの多様化に答えようとする意図が伺えます。

Jコンセプトは日本の消費者だけでなく、海外の高級なニッチのニーズにも答えようとしています。実際に売りに出されているのは温度をきめ細かく調整できるエアコンや省エネ機能を搭載し質をより高度にした冷蔵庫など、パナソニックにしかできない技術を用いた商品の製造が行われています。

またパナソニックは欧州進出も積極的に行い、LED電気製品が全体の30%と日本の50%よりもはるかに少ないことに目をつけ、事業の拡大を図っています。現在では照明分野で世界第3位。オリジナルな技術を生かした成長市場への参入が利益を押し上げ、2018年度には15年度見通しの倍額にあたる7,000億を目標にしています。

多様性のあるJコンセプト

少子高齢化が進む国内需要の減少に対応するためにパナソニックでは高齢者向けのアイテムを次々と売り出しはじめています。具体的には、37年には65歳以上が30%を超えると予想されている中、パナソニックではうち一割の高齢者を消費者としてターゲットとしています。

では具体的にはどのような製品が販売されているのでしょうか?日常にある一般家電の中でも、洗濯機は生活に重要な役割を果たしていると言えるでしょう。パナソニックでは洗濯槽が従来よりも浅く、衣類を取り出す際の負担を軽減した洗濯機などがあります。電化製品を活用し、高齢化をビジネスチャンスとしているパナソニックは国内においても注目を集めています。

このように全体としては不況な電子機器メーカーも、ニッチなニーズを把握することで今後の台頭が期待できるのではないでしょうか。
参考:マイナビニュース(http://news.mynavi.jp/news/2015/05/21/168/)
日経テレコン


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